多様な生命体との共生が問われる今、
地球と共に生きる行為の選択肢も多種に創造する時だ。
例えば建物や都市のあり方もその一つ。
小さく建てることで土地の容積を他の生命体へと共有し、
都市を多様な生命体が共生する地球本来の姿へと復元する。
普遍的な豊かさの視点に立った時、
私たちは、幸福に足る単位や形態を見つけることができる。
KITOは、その視界へと動く新たな選択肢でありたい。
例えば土地に定められた容積の25%を地球と共有し、多様な生命体が暮らせる小さなビオトープをつくる。ビオトープが都市に増殖していく事で、やがて都市の25%はさらなる森となり、地球本来の共生空間へと復元される。人の占有容積は減少しても、人が感じる幸福の容量は増幅する可能性は高い。
私たちの常識を構成する単位は変わり続けている。都市部において2人以下の世帯数は64%を上回り、世帯あたりの人数は 1.89人と、この25年で 18%減少した。また人生100年時代においては、家族を持った人でさえ2人以下で暮らす時間は56%を占める。
合理的に考えれば私たちは従来のように家族4人を想定した広い家を所有する必要性は低く、広さと豊かさが比例する価値観を疑う時だ。今、小さく家を建て、容積を地球と共有し、地球が環境を維持できる共生の生き方に新たな幸福のあり方を見出す時ではないか。自然と共に暮らす生き方を、都市部で再び蘇らせる。私たちが未来に残すべき都市は、かつて描かれた先進的な姿ではなく、緑と多種の命にあふれた本来の地球の姿と人の幸福を中心に進化するテクノロジーが融合した新しい生態系だ。
支配、独占、成長から、開放、共有、持続へ。KITOは、都市に森を流通させていく行為のブランド化を目指しており、その建築は行為を物質化した一つのブランドアイコンと言える。
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